やっとUDON観た。

私が「さぬきうどん、すげぇ」って思ったのは、数年前に村上春樹の「近境・辺境」。あのときの衝撃がけっこうなものだったから、この映画で「ネギは裏の畑にあるよ」とか、あぁその話ね、みたいに冷めていたところはあった。

っていうか、あざとい。小西真奈美スキ。ユースケも楽しそうでよし。でも、なんていうのか、全体的にあざといんだよなぁ。エピソードとかも詰め込みすぎな気がしたし、「はいどうぞ、泣いてください」っていう提示とか、最近流行ってるけど、好きじゃない。

あと、俳優の使い方とかがなんとも。もうこれは私が日本人で、日本の俳優を知っているから仕方ないのかもしれないけど、あの役を小日向文世がやったらいいに決まってるし(スキだけど)、片桐仁の「ワキを固める片桐仁」的ポジションとか(彼も好きです)、そこで松本明子かよ、とか。ひとりひとりはスキな役者さんなんだけど、なんか、ずるい(は?)。そういうのも、あざとい。

うどんはそりゃあ、食べたくなったさ。キレイに撮っていたから。ソウルフードとかそういうのは別にして、とりあえず食べたい、さぬきうどん。

しかし、なんなのかね、この感じは。私、あんまり映画には詳しくないけど、監督って、有名になれば自由にできる・というわけでもないみたい。なんか、窮屈そうだったよこの映画。もちろんお客さんが入らなければ商業的な成功とはいえないわけで、そこを目指すためには話題づくりやら作りこみやらある程度のあざとさやらが必要なのはもちろんわかるんだけど、なんだか今回は、監督の名前はもちろん有名だけれど、それ以外の外圧によってちょっと身動きとれなくなっているような感じがした。もちろんこれはなんの根拠もない、私の戯言だけどね。「監督、好きにやっていいよ」っていう状態でUDONを作ったとしたら、もう少し輪郭のはっきりした、きめの細かい作品になったんじゃないかなとなんとなく思う。もちろんそんな待遇で映画を撮れる人なんてそうはいないということもわかっているけれど。