昼休み、外でお弁当を食べてたのさ。
ひとりでのんびり、本を読みながら。
そしたら、いつの間にか少し後ろのほうに男の人がいて。
まぁいつもこの場所には他の人もいるし、特に気にはしなかったんだけど。


しばらくしたら、その人がおいらの座ってるベンチの、隣のベンチに来たんだな。
そして突然、ケータイをおいらに出して、「すいません、写真撮ってもらっていいですか?」って。
突然のことだったからびっくりして(だって観光地でもないし、それどころかただの河原ですよ?)、
「いいですけど…なに撮るんですか?」って、思わず言っちゃったわけ。
そしたら「いや、友達に『今ここにいるよー』って送ろうと思って」って。
まあ別にたいしたことじゃないから、「じゃあ撮りますよー」って、撮ってあげて、ケータイ返して、おいらはまたランチ&読書に戻ったわけ。
読み始めて3日くらいの文庫で、丁度、おもしろいところでさぁ。お弁当食べながら本読むなんてお行儀悪いのはわかってるんだけど、でもやめられなくて。むしろランチっていうか、読書の時間なわけ(このへんの気持ちは、本好きさんなら理解してくれると思う)。


したらさぁ。
おいら、本、読んでるのよ?黙々と、読んでるのよ。
なのにさっきの人がさぁ、
「今、お昼ごはんですか?」だって。
目の前に広げてるお弁当箱が見えねーのかこいつはーと思いながら、
いや、それ以上に本読んでんだから邪魔すんなと思いながら、
「ええ、まぁ」と答えるおいら。
男:「僕、さっき他で食べてきちゃったんですけど、こういうところで食べるほうがいいですね」
おいら:「まぁ、天気がよければですけどね」
すぐ本に目を戻すおいら。


男:「よくいらっしゃるんですか?ここには」
おいら:(だから本読んでるのが見えないのかお前は??)「ええまぁ、たまにですね」


嘘です。ほぼ毎日来てます。
でもそんなこと言ったらこいつに毎日読書を邪魔されるかもしれない。


もうこの時点で本から顔も上げないおいら。
あたしが今、本を読んでいるのがみえないのかお前は??!


まだ何か話しかけたそうな空気を感じたので、まだ昼休みの時間は残っていたけどおいらは諦めて荷物をまとめた。
んで、無視するのもカンジ悪いだろうからと一応、そいつに会釈くらいはしてやって帰ってきた。
…腹立たしい!!


前にもいたんだ、こういう奴。
そいつは、全く知らない人ではなくて、近い職場の人だったから顔は知ってるかな程度だったんだけど、そいつもそうだった。
あたしがお昼に本を読んでたら同じテーブルに座ってきたんだ。
そいつ:「おつかれさまでーす」
おいら:「おつかれさまでーす」(本に目を戻す)
そいつ:「読書ですか」
おいら:「ええまぁ」(本に目を戻す)
そいつ:「何読んでるんですか?」
おいら:「…夏目漱石の、前読んだやつを読み直してるんです」(もう顔上げてない)
そいつ:「あー僕も夏目漱石読んだことありますよ、学校の授業で」
おいら:「そうですかー じゃあそろそろ昼休み終わるんで(嘘)」
撤収。


どうして世の中には、読書中の人間に無駄に声をかけてくる輩がいるんだ??!
あたしにはそれが理解できない!!


注釈1。おいらは読書好きだけど、もしも誰かと一緒であればもちろんおしゃべりを楽しんだりするので、おもむろに本を取り出したりはしない。
しかし、自分ひとりの時間に読書をしてなにか問題があるのか?
注釈2。どうしてもの用件があるなら話しかけられてもしょうがない。あたしだって読書中の人になにか急用があれば、話しかけるだろう。だけどその時には一瞬躊躇するだろうし、できれば会話は一回で済むように内容を整理してから話しかけるだろう。そしてとても申し訳なさそうに(実際とても申し訳ないのだから!)遠慮しながら話しかけるだろう。


それなのに。
いったいなんなのさ???!
どうして人の読書の邪魔をするのさ?!
しかも赤の他人のあたしの邪魔を!!
あたしが本を今、読んでいるということがわからないの??!!


しかも後からよく考えたら、「今ここにいますよの写真」に本人が写る必要、無くないか??
しかも観光地でもあるまいし、何の特徴もない河原で自分入りの写真撮って、一体なんの証明になるんだ??


ナンパだったのかあれは、なんてそんなことはどうでもいいんだ。
とにかくあたしは、あたしの読書の邪魔をされたことが許せない


だから明日からはしばらくあの場所にはいかない。
本読むの邪魔されるなんてうんざりだよ!!